街路の人サヴィニャック

兵庫県立美術館で開催されている「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」展にちなんで、「サヴィニャックを語る茶話会」を開催しました。

主催はAtelier-F アトリエ・フランスの東さん。アトリエ・フランスは、伊丹市を中心に、フランス文化の紹介や日仏交流のイベントを企画しているグループで、これまでに「サン=ティグジュペリ Saint-Exupéry」やノルマンディリンゴ祭りなどを取り上げたイベントを開催しています。

 

今回は「レイモン=サヴィニャック自伝」(TOブックス 2007/11)をベースに、東さんが用意してくれた資料や展覧会図録を見ながら、サヴィニャックの人となり、影響をうけた人、制作への思いなどを読み取っていきました。

1.自転車レーサーからデザインの道へ
2.アニメ工房で見いだしたポスターの魅力
3.カッサンドルとの出会い
4.エアブラシとの格闘
5.カッサンドルからの卒業
6.MON SAVONのいきさつ
7.印刷業界の変化
8.自作ポスターについて語る

両親が経営する小さなレストランが遊び場だったサヴィニャックは、そこで交わされるちょっと皮肉めいてエスプリの聞いた大人の会話を聞いて育ち、自ずとユーモアのセンスをみにつけたんだそう。

彼の自伝は「皮肉」や「愚痴」ばかりだったけど(?)、“たったひとつの絵で、ひとつの意図を表現する”ポスターの魅力に取りつかれた、サヴィニャックの作品だからこそ、フランス人に限らず、見る人に長く親しまれ愛されてきたのだなと思いました。

 

最後に紹介してもらったサヴィニャックが晩年を過ごしたTrouville トゥルーヴィル。町の人々が「サヴィニャックは私たちの作家だ」と力強く言っていたのが印象的でした。