やがて散る今年の櫻

伊丹小学校脇の桜並木

やがて散る今年の櫻咲くうちは晴れがましくあれ見る人あれば

ハッとする歌に出会った。津崎史さんの歌集『父の掌』の中の歌だ。津崎さんは古代文字学の権威、白川静先生の娘さん。

歌集『父の掌』(津崎史著 エディシオン・アルシーヴ 2018/10)

日常の一コマを飾らない言葉で歌っているのがいい。特に茶席での歌は、主客の間合いや緊張感、水屋での緩和の瞬間など、素直な心情を歌っている歌が好き。

この歌にハッとさせられたのは旧字体の『櫻』が使われている点。おそらく作者の中では『桜』ではなく『櫻』としたい明確な理由があったに違いない。そう思って味わうと、長い年月その場で花を咲かせてきた古木と言える『櫻』が、今年も満開を迎え、潔く、晴れがましく散っていく姿がありありと想像できる。凛とした生きざまを見せてくれている『櫻』に寄せる作者の思いが伝わってくる気がする。

朝のイソヒヨドリ

本日も寒かったので火を入れてみた。

池田の菊炭

天王寺川の土手の土筆。忘れずに今年も顔を出してくれました。